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相続分

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民法899条は、「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する」と規定しています。その相続分を決定するものとしては、法定相続分というものと、指定相続分というものがあります。

まず、法定相続分とは、被相続人が何ら相続分について意思を表明していない場合に、相続人間の公平を配慮して法律で定められた相続分のことをいい、民法900条に規定があります。配偶者は常に相続人となり(民法890条前段)、その相続分は、まず、配偶者と子がいる場合は、配偶者と子の相続分がそれぞれ二分の一とされています(民法900条1号)。次に、配偶者と両親や祖父母のような直系尊属がいる場合には、配偶者が三分の二、直系尊属が三分の一となります(民法900条2号)。なお、直系尊属には、普通養子の場合には、養親だけではなく実親も含まれます。最後に、配偶者と兄弟姉妹がいる場合には、配偶者が四分の三、兄弟姉妹が四分の一となります(民法900条3号)。以上の場合において、子や直系尊属、兄弟姉妹が複数人いる場合には、その頭数で相続分を均等に分けることになります(民法900条4号)。これは、あくまでも子や直系尊属、兄弟姉妹の相続分を分けるもので、配偶者の相続分には影響しません。

次に、指定相続分とは、被相続人の意思を尊重して、被相続人により指定される相続分です。これは、民法902条1項本文が、「被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる」と規定しているように、法定相続分よりも優先するものです。もっとも、相続人の保護のために相続財産の一定割合を一定の相続人に留保する遺留分という制度があり、この遺留分を侵害するような相続分の指定はできません(民法902条1項ただし書)。もし、遺留分が侵害された場合は、一般的には遺留分減殺請求ができると解されます。

遺留分の割合は、民法1028条に規定があり、まず、兄弟姉妹以外の法定相続人を遺留分権利者としたうえで、直系尊属のみが相続人である場合は被相続人の財産の三分の一が(民法1028条1号)、それ以外の場合は、被相続人の財産の二分の一が遺留分とされます。例えば、相続人として配偶者と子がいる場合、遺留分は二分の一となり、この場合の法定相続分は前述のように二分の一ずつであるから、配偶者の相続分や子の相続分が四分の一を下回る場合は、遺留分が侵害されるということになります。